Grand plat (ōzara)

Arita (centre de production céramique)

Entre 1640 et 1670
Porcelaine, Décor peint sur couverte
Plat
Marque à l'intérieur du pied : "fuku" 福
Legs : Cernuschi, Henri

M.C. 3365

古九谷は、黄、緑、紫、赤、茶、青を含む豊かで深い色彩の釉薬で装飾された磁器に与えられた名称である。なかでも大部分あるいは表面のほとんどが限られた色彩で埋められたもの、おそらくは中国の三彩のある種のものを真似たものが、青手古九谷と呼ばれている。九谷の名は、現在の石川県にある町から来ている。17世紀の中頃に加賀藩の前田家によって作られた窯がこの様式の作品を作っていたと言われている。が、実際は、今日知られている古九谷のほとんど全ては、国内の需要のため、九州の有田で作られたようだ。よく知られている作品はふつう、明の天啓帝の時代に輸出用に作られた陶磁器を真似た小さい皿か大皿、そして茶道用の道具である。
この大皿は同心円を描く三つの装飾が施されている。中心には一枝の椿、その周りに一匹の蝶が飛び、蝶は背景の植物模様から飛び出している。植物模様は青手古九谷の皿によく見られるものだ。その完璧な例が石川県美術館にある葡萄の房模様の皿である(石川県立美術館のデータベース参照)。内側の縁が菊の模様で飾られている。裏面は伝統的な菊の唐草模様で、底の下側には薄い黄色をバックに「福」の落款がある。おそらく、陶磁器で今も有名な日本の有田の窯で作られたもので、この大皿は、貫入のある分厚い磁器でできている。これは古九谷と呼ばれる、初期の九谷焼に属し、深緑、黄、青紺、紫の四色の使用が特徴的な青手である。
釉薬の上に施された装飾は芭蕉と蝶で、様式化された菊の散る黄色い背景からはっきりと浮き出している。裏側は、底を除く表面をすっぽり覆う薄緑を背景に雲の模様が繰り返されている。シンプルな色彩と激しい色彩のコントラストが、くねくねした芭蕉の葉と、シャープな線の蝶という形のコントラストと重なって、この作品に目もくらむような強さを与えている。
17世紀の終りと18世紀には、大皿は食物を盛るための食卓の道具として使われてはいなかったようだ。花のアレンジメントや果物や野菜をベースにした装飾的なコンポジションを盛るために使われ、大皿の本来の機能は装飾的なものであった。

 

Author of the record : ミシェル・モキュエ