Dame

Entre -206 et 9
Terre cuite, Engobe, Couleurs - Pigments
Statuette, Mingqi
Achat

M.C. 9814

漢の時代(紀元前206-紀元後220年)の墓からは、地下宮殿のなかで死者の魂に使えるための従者(女士用)の像が多数見つかっている。
この種の小像は冥器と呼ばれ、埋葬用の代用品とされる。冥器は東周時代(紀元前770-256年)に発明され、その後墓によく見られるようになるが、青銅時代に有力な死者の供をするために捧げられた生身の犠牲を代替する手段だったのだろう。
建物や動物のミニチュアも含むこの埋葬品は、死者が生きていた環境を移したもので、漢の日常生活がどんなものだったかを教えてくれる貴重な資料である。数多くの小像が寛衣を重ね着していたことが分かる。その縁飾りが多彩な残滓のおかげでここでは特によく見て取れる。小像のほとんどはステレオタイプで、彩色は失われている。ほんのり赤みを帯びた顔や編んで背中に垂らした黒い髪の繊細さ、そして飛び切りの保存状態の良さから、チェルヌスキ美術館の女従者は、この種の作品の傑作となっている。
この彫刻には、これ以後、中国で長く君臨する芸術的傾向が見て取れる。立体よりも線を好む傾向で、ここではこの女性のシルエットのなかにそれが感じられる。上半身と大きな袖の中の腕が体に密着した衣の上に張り出しているが、衣は下の方では広がって作品を安定性させている。

Reference(s) : ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.73。
マリー=テレーズ・ボボ,『既知と未知の中国:チェルヌスキ美術館,10年間の蒐集』,パリ,Paris-Musées(パリミュゼ),1992,p.86-87。