Boîte

Entre 1400 et 1500
Grès, Décor peint sous couverte
Boîte
Don manuel : Riou, Alain

M.C. 2015-2

15世紀にベトナムの「青白陶器」は、中国が皇帝の勅令によって交易を制限したため、飛躍的発展を遂げる。この箱は、外国の顧客を魅了した美しい品質の品の典型である。8つの裂片をもつその形はこれもまた金銀細工の品々に由来する。蓋の真ん中から発する装飾は菊の花となり、そのまわりに蓮の花びらが8枚散っている。花びらの頂点から縦の二重線が生まれて表面を8つの部分に分け、そこに花とノロの若雄が交互に入る。釉薬の下の顔料が灰色がかった青であるところが、同時代の中国とはっきりした違いである。この違いがますますはっきりしてくるのは、以前はまだ、混ぜて使われている顔料の中に酸化鉄がまだ多かったからだ。素地が多くの顔料を吸い込んだ部分はどこか抗多雨のある黒みがかった色をしている。青い装飾が軽くぼかされたように見えるのは、顔料が少しゆるく、グレの素地に早く染み込んだためで、これもベトナムの「青白」の特徴である。この非常に念入りな仕上げの箱は、シナ海を通る交易の重要性と自家用にするために輸入品に特に関心をもつ顧客が生まれたことを語っている。たとえば、当美術館の日本コレクションにも、茶事で香炉として使われたこの種の小さな箱がみられる。