Grand bol

Entre 1275 et 1400
Grès
Bol
Don fouilles : Mission Janse Indochine (1934-1935)

M.C. 8234 A

単色で飾りがなく、薄い見込と固くて濃い素地をもった椀は、ベトナム北部で使うことができた粘土の質のすばらしさを語っている。象牙色の薄く流れるような釉薬が、ベトナム陶器に特有のきらきらする光沢を与えている。軽くすぼまった唇の丸い形もベトナム陶器特有のものだ。
これはオロフ・ヤンセの発掘で出土したものだ。ヤンセは特に漢の同時代に関心を寄せており、起源後の数世紀の墓を発掘したが、行きがかりで11世紀から13世紀という後世の墓もいくつか発見した。ずっとシンプルで、交趾時代特有の墳丘も煉瓦の墓室もないが、これらの墓は今は土の含む酸のために消えてしまった木製の棺とおそらく土止め板を備えていたと思われる。埋葬品は死者の体の軸にそって縦に並べられていた。椀、盃、甕など一式がこうしてチェルヌスキ美術館のコレクションに加わった。埋葬用の陶器が埋められるためにわざわざ作られた交趾時代と違って、10世紀以降の作品は裕福なエリート階級が、生きている間に使っていたものそのものである。

Reference(s) : モニク・クリーク  『ベトナム チェルヌスキ美術館のベトナムコレクション』 パリ、Paris-Muséés (パリミュゼ);Findakly(フィンダクリ)刊, 2006. p.136.