Récipient en forme d'urinal huzi 虎子

206
Grès, Céladon
H. 10 x D. 20.9 cm
Legs : Cernuschi, Henri
M.C. 4249

この作品は、用途が議論の的になっているが、中国人たちは「虎子」(こし/フジ)と呼ぶ。最も古く知られている例は、秦(紀元前221-207年)よりも古く、青銅と漆で出来ている。ファン・ザンユーによれば、虎子は尿器で、酒器ではない。
このタイプの器は炻器で青磁の釉薬がかかっており、3世紀後半と4世紀前半の江蘇省と浙江省墓の両方にみられる。この新しい材質は、東漢の時代の末期に、浙江省北部(古代王国、越の領土)と江蘇省北部の製作所で生まれた。釉薬をかけた炻器とテラコッタ(釉薬はかけてあるものもないものもある)という、この土地の2つの伝統に立脚している。そのボディには陶石を用い、釉薬には砕いた陶石と植物性の灰の混ぜたものを用いる。磁器は薪で火をおこす龍窯(りゅうよう)で1170度から1240度の間で素焼きされる。この手の他の作品と同じく、チェルヌスキ美術館の虎子は、丸みを帯びた平らな形の上に細工して焼いたもので、蓋がない。これら磁器に似た炻器のいくつかには銘があり、陶工の名が記されている。このことは職人のステータスが認められていたことを示している。
チェルヌスキ美術館の虎子は、その豊満な形と念入りな細部が、トロントのオンタリオ王立美術館所蔵品(ミノツィアン; cat.28)の虎子と似ている。山東省の鄒城(すうじょう)にある劉寶(リュー・バオ)で、永康2年(301年)と日付のある墓から出土した別の虎子(ウェンウ、2005, n°1, p. 12, fig. 19))とも類似している。また、浙江省紹興郡の鳳凰山にある永嘉7年(313年)と推定される墓から来たものにも似ている。

Reference(s) : 黄展嶽,『 關於伏虎形器與虎子的問題』文物,1999年 5号p。55-60。

蓑豊(みのゆたか),キャサリン・R・トサイアン,『氷と緑の雲:中国青磁の伝統』 インディアナポリス,インディアナポリス美術館,ブルーミントン,インディアナ大学出版会,1986年
ミシェル・ピラゾリ=ツスターステルステヴェンス,『造型効率から生産性へ:3世紀から4世紀の江南の磁器製造に適したグレ』,通報,1998年,1-3分冊,p.21-61