
Kokon chomon jū 古今著聞集 [Recueil des traditions de jadis et de maintenant]
Entre 1700 et 1750
Encre, Papier
Manuscrit
l. 22.5 x L. 16 cm
Legs : Cernuschi, Henri
M.C. 4738
古今著聞集(ここんちょもんじゅう)は鎌倉時代1254年に、伊賀守橘成季が編纂した説話集で、説話は年代順、主題別に分類されて並べられている。平安時代(794-1185)の日本の民間信仰や習俗を語ったものだ。
この本は、奈良絵本20巻から成り、大和絵の系統の挿絵が添えられている。大和絵は平安時代に唐絵に対抗して生まれたもので、詩歌や文学に想を得ることが多いのが特徴である。ここでは76ページにわたる挿画に、大和絵独自の手法が見られる。たとえば貴族の館の内部を見られるようにする吹き抜き屋台や、目は横に弾いた二本の線、鼻は鉤のように「く」の字で表す引目鉤鼻のテクニックである。
上から見下ろす俯瞰的な視点と多くの平行線と斜線が交わる構成で、人物が感情を表すところを描いていることが多い。様々な形に切った金箔を張り付ける截金(きりかね)の技術を用いた、すやり霞が、時空の距離を示しているところが特徴的である。
Reference(s) : MAUCUER Michel, Musée Cernuschi. Henri Cernuschi 1821-1896, voyageur et collectionneur. Paris : Paris Musées, 1998, n° 122, p. 138.