アジア旅行から戻ると、アンリ・チェルヌスキは邸宅を建て、それが後に彼の名を冠した美術館となりました。

新古典様式の邸

オランダ出身の建築家、ヴィリアム・バウエンス・ファン・デル・ボーイエンが設計したこの建物は、1840年ごろに北イタリアで流行した新古典様式の特徴を持っています。

外観

正面には、チェルヌスキが敬愛したアリストテレスとレオナルド・ダ・ヴィンチのモザイクによる楕円の肖像が認められます。入り口の扉には、「2月」と「9月」という言葉があり、フランスに共和制を樹立した1848年と1870年の二つの革命を指しています。髭を蓄えた男像柱が館を取り巻く幅広のコーニスを支えています。

内部

内部は、巨大な一室を中心に配置されています。その室は、窓からモンソー公園の緑が眼下に見渡せる高い天井を持ち、江戸の町、目黒からチェルヌスキが持ち帰った青銅の大仏が鎮座しています。天井の高さにあるフリーズにはめ込まれた板には、アンリ・チェルヌスキとテオドール・デュレが1871年から1873年の間に行ったアジア旅行の主な行程が記してあります。

2001年と2005年に、この建物は大幅な改修を受け、二階が修復されて常設展示場となり開館当時の様相を取り戻しました。一階には企画展のスペースを拡張しました。

Photo du médaillon de Léonard de Vinci sur la façade
レオナルド・ダ・ヴィンチの楕円肖像。©チェルヌスキ美術館

公衆に開かれた美術館

チェルヌスキ美術館は身体障害がある方にも完全にアクセス可能です。外から入れるエレベーターが設置されていて、美術館の全ての展示室に通じています。