Bodhisattva

Anonyme

Entre 589 et 618
Pierre, Polychromie
Statue
Achat

M.C. 6020

ここでは仏が左手に持っている不死薬を盛った器、これは観音菩薩に最もよく与えられるアトリビュートだ。このような小瓶は苦行者に与えられる水を入れた器のこともあり、こちらは弥勒菩薩のアトリビュートである。
右手が壊れているため、この仏がどちらであるかは確定できない。弥勒であれば法を説く手付きをしていただろう。観音であれば柳の枝を手にしていたはずだ。柳の枝を手にした観音は極東にのみ存在するイコノグラフィーで、「楊柳観音」と呼ばれ、病苦からの救いを使命としている。この仏の場合は、楊柳観音と考える方が信憑性がありそうだ。丸彫りの弥勒菩薩は隋の時代には珍しいからである。反対に、観音菩薩は、子宝を得るのを助けるとされ無数の奉献物の対象となった。中国では道教の女神、碧霞元君(へきかげんくん)の影響を受けて、本来性別のない観音菩薩が両性具有的に表される。
ここでは、仏はたくさんの肩掛けと金銀細工の首飾りを着けており、これは隋の時代の菩薩像の特徴である。そして、肩のあたりは近代になって大幅に修復されているが、元々は完璧な丸彫りで、修復もその堂々とした風貌を損なっていない。

Reference(s) : ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.108-109。