Linteau

Entre 25 et 220
Pierre
Elément d'architecture, Relief
Donation (acte notarié) : Société des Amis du musée Cernuschi

M.C. 6862

この巨大な浅浮彫りは、1922年に創設されたチェルヌスキ美術館友の会による最初の寄贈品である。その大きさから言って、おそらく墓を2つの部屋に仕切っていた両開きの扉の上の楣(まぐさ)であったと思われる。
装飾は漢時代末期の道教思想と関係がある。
羽人タイプの不死人は、もしかしたら儀式を行って魂があの世へ無事に到達するようにする、仮装した呪術師(方相師)かもしれない。そして羽の生えた様々な幻獣が絵帯に現れる。この幻獣にはいくつかの虎と龍、1頭の熊と鹿など、死者の魂をあの世に導く案内をすると言われている動物たちである。
この構成は、洛陽の卜千秋の墓の彩色フリーズを思い出させずにはおかない。西漢(紀元前226年-紀元後9年)末期のもので、死者の魂が天国に上って行くのを描いたものだ。
チェルヌスキ美術館の楣(まぐさ)は、様式から言って漢王朝の最後の数十年に出来たものとされ、また生き生きして今にも動き出しそうな気配を持っているところは、東漢(25-220年)時代の重要な経済の中心地だった河南省南洋(ナンヤン)にある漢墓のレリーフに見られるものに近い。しかし、河南や山東には装飾された漢墓がたくさんあるとはいえ、ただ様式的な基準のみから、チェルヌスキ美術館の楣(まぐさ)がここから来たものであるとは、あやふやな仮説としても言うことはできない。

Reference(s) : ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.84-85。