Avalokiteśvara

Anonyme

Entre 1115 et 1200
Bois (matériau), Polychromie
Statue
Don manuel : Mahé, Jean

M.C. 8894

唐の滅亡後、中国の最北部に君臨した「蛮族」の帝国のなかで、金(1115-1234年)は厚く仏教を保護した。金は、注目すべき木彫の発達を促した。それは、ときには非常に大きくもあり、唐の時代の美の基準からは様式的に巧みな変化のついたものだった。ここに見る菩薩像2体はその産物である。
宝冠の中央の花形装飾の上のアトリビュートがこの2つの仏が何者かを教えてくれる。西方浄土の仏陀である小さいアミターバ(阿弥陀如来)の形(化仏)は、躊躇なく観自在(観世音、観音)のような菩薩を意味する。もうひとつの仏の宝冠の花形装飾について、O・シレンは、炎の形をした宝石がひとつあると思い、それがこの2人目の人物像を勢至菩薩だと考える根拠になるとしている。これらの菩薩たちは、釈迦牟尼の「西方浄土」で説教をする阿弥陀如来の脇侍である。2人目の仏像の宝冠の飾りをもっとよく観察すると、首の長い小瓶が見分けられ、これはおそらく水瓶で、彌勒菩薩のアトリビュートである。2体の菩薩だけで座った仏陀像を挟んで三尊像になれるが、こちらの2体は、菩薩8体からなるグループ属していたものであろう。寺院の横壁に並べられた大乗仏教の正法を守る八大菩薩である。

Reference(s) : ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.128-129。