La Tigresse (vase you 卣)

Entre -1100 et -1050
Bronze, Fonte, Fonte au moule
Vaisselle et ustensile de cuisine, Vase, Objet religieux
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M.C. 6155

この卣(ゆう)は、発酵させた飲み物を入れるもので、疑いなくチェルヌスキ美術館で最も有名な作品である。器は動物の後足二本とくるくると巻かれたしっぽの上に載っている。ネコ科の動物が、大口を開けて、前足で自分の前に踞る小さな人間を抱き抱えている。装飾は多く、動物を描いた大きな模様のなかに沢山の夔(キ)龍が描かれ、四角い渦巻きの背景から浮き上がっている。商の時代末期に特徴的な模様である。動物の後部は象の頭部の形をしていてきわめていかめしい。大きな耳をした、角の生えたヤギの仲間の動物が蓋を支えている。器の耳は尖った耳と曲がった鼻を備えた獣面の後ろについている。
これが発見された考古学的経緯は分かっていない。しかしながら言い伝えによれば、これは湖南、巍山(ウェイシャン)のふもと、安化県と寧郷(ニンシャン)県の境、長沙(チャンシャー)の西から来たものということだ。この「南方伝来説」を裏付ける要素は二つある。この青銅は黒に近い深い緑で輝きがあるが、昔の文人のコレクションの器類にこの輝きはない。逆に、たしかに湖南で発掘されるものの特徴ではある。動物をかたどった卣(ゆう)であることが、もうひとつ、商の最南端に位置するこの独立地方の産物の特徴である。数世紀後、楚(紀元前9世紀-223年)の王国の時代になっても、この地方の文化的特殊性は明らかであった。
人間に結びつけられたネコ科動物のテーマは、商王国にもみられるが、南ではいっそうよく見られる。それは、『春秋』(紀元前8世紀-5世紀)の注釈書である左伝に語られた、楚王国の出身の、ルオアオの孫で 子文(ジウェン)という名の人物が、子どものころ、牝虎に拾われて育てられたという物語と縁があるのだろう。人間の表情が落ち着いていることと虎の脚の上に安心して足を載せていることが、この説明を裏付けているように思われる。このような伝説が、人間が動物に守られたり、人間と動物の交わりが神話的な祖先を産んだという多くの貴族の部族のトーテムの物語を作っている。しかしながらこれほど変わったイコノグラフィーの正体を突き止めることは不可能なので、奴隷の子どもを犠牲に供する表現で、悪を象徴しているというしばしば唱えられる説も完全に退けることはできない。

Reference(s) : ジル・ベガン『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.36-38
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