Vase liding 鬲鼎

Anonyme

Vers -1300
Bronze, Fonte, Fonte au moule
Vaisselle et ustensile de cuisine, Vase, Objet religieux

M.C. 8421

これは、当美術館に所蔵されている安陽時代の初めの貴重な青銅器の一つである。3つの足の上には饕餮(とうてつ)文がある。その出っ張った目は夔(キ)龍が2頭向き合う形でつくられ、強調されているのだが、にもかかわらず饕餮(とうてつ)文はあまりはっきりとは分からない。複雑な絡み合いが、「雷」の文字を彷彿とさせながら、怪物の絵と混じり合っているのだが、まだ安陽の最後の頃のようにはっきりと面を覆い尽くす装飾には至っていないのだ。上部の帯には渦巻く二重の環でできた雷紋がある。作品の表面全体が、切込み部分は黒ずんだ金属でうまっている。おそらく赤銅鉱の混じった石英だろう。この手法は、非常に珍しいものではあるが、他の作品でも目にすることがある。

Reference(s) : ヴァディム・エリセエフ 『チェルヌスキ美術館の中国古代青銅器』,第1巻,第1部,第1番,パリ,アジアテーク社,1977年,p.33。
ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.30。