Brûle-parfum (kōro 香炉) au dragon

Kimura Toun

Entre 1800 et 1870
Bronze, Fonte à la cire perdue
Brûle-parfum
"Toun chû"
Legs : Cernuschi, Henri

M.C. 2082

二つの部分を組み合わせた、非常に暗い美しい緑青を帯びたこの素晴らしい香炉は、ロストワックス法で作られている(蝋型鋳物)。17世紀以降、この技法は高い洗練度に達し、細部まで正確に表現するようになる。仏像仏具の制作ばかりでなく、生活品にも用いられ、華道のための花器や置物が作られたが、それらは中国から伝わったものを模倣することが多かった。
ここでは、球状の入れものと香の煙を逃がすために透かし模様を施した蓋とが、不死鳥と雲模様(雲紋)の浮彫りに飾られている。幾何学的な紗綾形模様を背景に、向き合った二頭の龍の図案の繰り返しでできた帯が上端を取り巻いている。三本の蹄と獰猛なひげ面をした龍が香炉を抱きかかえ、蛇のように曲がりくねった体を伸ばして強い力を発散する。作者、木村渡雲についての情報はほとんどない。龍によって名高い。亀の形の置物で有名になった村田整珉(1761-1837)の弟子でやがて後継者となる。19世紀のパリの日本好きの間で高く評価され、エドモン・ゴンクールに「柔らかきブロンズの創造者」と呼ばれた。


 

Reference(s) : ミシェル・モキュエ、『チェルヌスキ美術館、アンリ・チェルヌスキ 1821-1896、旅行家・蒐集家』パリ、パリミュゼ、1998年刊行。74番、p.94、図版p.95
チェルヌスキ美術館。『江戸時代末(18-19世紀)の芸術にあらわれた動物』、チェルヌスキ基金 1871-1872、パリ 1986年刊、 モノクロ写真の展覧会カタログ、82番 p.45
Author of the record : マニュエラ・モスカティエロ