Pointe de lance

Entre -300 et -50
Bronze
Arme
D-S Sep.1
Don fouilles : Janse, Robert Ture Olov; Mission Janse Indochine (1934-1935)

M.C. 7998

ドンソン文化は墓所に死者の傍らに置かれた副葬品によって知られるのみである。これらの副葬品は我々が知ることができたよりずっと種類が多かったが、ベトナムの熱く湿気の多い気候と酸性土のせいで壊れやすい品々は失われてしまった。家具調度をゆたかに備えた墓ともっと質素な墓とを較べると、ドンソン社会の強い階級性が分かって来る。高位の人物の墓には、短剣や槍、投げ槍、矛槍、石鏃(弓と矢はきっと崩壊したのだろう)や斧など、武器が埋葬されている。同じように青銅で作られた、武器とは別の品もある。壷、腕輪、装飾板、鐘、シンバル、太鼓である。このように、世俗権力、おそらく精神世界も司っていた権力を表すものは、青銅と武器に密接に結びついていた。
この三角の刃をした槍の先端は、柄のついた長い口に嵌められ、中央の軸のあちこちに細長い穴が開いている。それはドンソン文化に属する墓で発見される典型的なものである。この穴についてはいくつかの仮説が出されている。矢や槍の先は、その効果を高めるために毒に浸けられて使われたのではないだろうか。粘着性の毒がこの縦長の開口部に付けられたのではないかというのだ。あるいは、高貴な戦士たちがその豪華な装束を身につけてパレードをする儀式の際に、美的効果を高めるためにリボンや羽を結ぶのに使ったのかもしれない。

Reference(s) : ヘレン・ラヴデイ  『ベトナム チェルヌスキ美術館のベトナムコレクション』 パリ、Paris-Muséés (パリミュゼ);Findakly(フィンダクリ)刊, 2006. p.39.