Coupe à oreilles

Entre 43 et 400
Terre cuite
Coupe (récipient)
Don fouilles : Mission Janse Indochine (1934-1935)

M.C. 11253

墓に置かれた品々は、当時の貴族階級が実際に使っていたものを反映している。しかし、陶器という素材は形を移すために使われた。墓に食料や食器で一杯になった壷や甕を持って埋葬されたのは裕福な死者だけであるとはいえ、墓に埋葬するには豪華過ぎるものは陶器に変えられて埋められたのだ。この耳付きの杯はその例で、紀元前5世紀から紀元後3世紀に中国で広まっていた漆器の椀がモデルである。木に漆を塗った食器は最も求められ、高価でもあった。軽くて手触りが良く、作るのに何ヶ月もかかったからである。何層にもなる漆の薄い層が乾くまでには時間がかかった。ここでは大きさを小さくした白い陶器の形で見ることが出来る。緑色の釉薬が数滴、表面に激しく散っている。これは漆あるいは銀かブロンズの輝きを表現するためではないか? 中国の古い文献には埋葬の仕方に関する規則が書いてあり、生者の世界のものとは異なるものしか使わないよう勧めている。