Bol

Entre 1300 et 1400
Grès, Décor peint sous couverte
Bol
Don fouilles : Mission Janse Indochine (1934-1935)

M.C. 8226

小さい脚の上に立ったこの半球形の椀は、唇のすぐ下がわずかに引き締まっている。この形は李朝(1009-1225)以降のベトナム陶芸の特徴で、これに13世紀末からは酸化鉄の釉下彩の新しい装飾がつくようになる。素早く確実な筆で花の模様を施す。書道のような、ほとんど抽象的な効果は極めて魅力的である。繊細さも魅力だ。象牙色の釉の下で酸化鉄が青みがかった乳白色を呈している。
椀の外壁に描かれた文様は二本の水平な線の間におさまっている。一方、椀の底に描かれた文様は無地の表面からじかに浮き上がっている。椀の内に見て取れる5つのトチの跡はベトナム産陶磁器に特有のものだ。中国と異なり、陶磁器が匣鉢に入れて焼かれず、互いに重ねて焼かれ、トチは焼成の最後に壊されて磨かれたのである。