Brûle-parfum

Entre 1600 et 1699
Grès
Brûle-parfum
Don manuel : Héliot (Monsieur)

M.C. 6397

16世紀以降、皇帝の命令で外国への輸出が制限され、多くの窯が廃れてしまう。しかしハノイから遠くないところにあるバッチャンの窯は、国内の需要で生き残った。今日でもまだベトナムで最も活動的で最も有名な生産拠点であるバッチャンは15世紀から建築用と実用向きの陶器を生産している。それから16世紀から18世紀の間、仏教熱が再興したため、祭具の生産を専門とするようになる。香炉、蝋燭立て、花瓶、杯が寺院に献納された。作品は明るい色のグレで作られ、形は青銅の祭具に似て、多くの模様が浮彫りになり、緑あるいは青で引き立てられている。
この香炉はしっかりした構造を備えており、上部は線香を受けるため穴があいている。
盛り上がりで膨れた装飾は金銀細工を思わせる。雲紋様の間を縫って龍がとぐろを巻く。 一方、4頭の緑の獅子は上の四隅に留まっている。中央部の角には1頭ずつゲアンがいる。ゲアは仏陀を守る想像上の動物で、伝説によれば龍の9頭の息子のうちの一人がゲアンである。
多色使いは17世紀のバッチャン窯製の特徴である。象牙色あるいは酸化鉄の多い緑色の釉薬をまとった表面は釉薬のかからなかった部分のピンク色と対照的である。