Portofolio "La nature prie sans parole" Planche 10

Lebadang, né en 1921 à Vietnam ou Việt Nam, décédé en 2015 à Paris

1967
Lithographie
Estampe
Don manuel : Lebadang, Myshu

M.C. 2015-17-10

ルバダンは、1921年にベトナムのクアンチ省、ユエから50キロほどのところの裕福な地主の家に生まれた。1939年、18歳のとき、彼は運を試しにフランスへ渡る。まずフランス軍に志願し、それからトゥールーズ美術学校の授業を受け、平行して印刷会社で働き、そこでリトグラフィーと複数の作品を産む技術への関心が生まれる。1948年からパリに移り、首都の芸術界に出入りする。初期の制作はわりと型にはまったもので具象だったが徐々に抽象の方向に進む。
1967年、彼はパリで『自然は言葉なしに祈る』と題された17枚の版画のポートフォリオを創る。彼はそこでページを追うごとに、この標題についての瞑想を開陳する。それは道教の祖、老子が紀元前600年ごろに書いた『道徳経』の彼なりの解釈である。この抽象的な作品のなかで、ルバダンは形と質感を表出させるが、見る者はそれを束の間認めたと思う。ルバダンにとって、抽象、テクスチャーと背景の明るい穴の戯れは道教の哲学の原初を表現している。そこから浮かび上がる形は、浮き上がってきて現実を把握できるようにする言葉のようなものだ。しかし言葉で区別をすることによって人間は原初の統一性、その根源的な性質から離れてしまう。ルバダンはこうして見る者に把握できない形がうまれる抽象的な背景を眺めることによってそれを再発見するように促すのである。