Vase jue 爵

Entre -1550 et -1300
Bronze, Fonte, Fonte au moule
Objet religieux, Vase
Don manuel : Mahé, Yves; Mahé, Lotus

M.C. 10014

この、爵(しゃく)は中国における青銅美術の変遷における転換期を明瞭に示している。注ぎ口に与えられた重要性、脚の細さ、水平の広い帯、その真ん中の帯に描かれた饕餮(とうてつ)文はなどは、中国青銅美術の様式の典型的なものである。背面には半円形に切られた大きな耳がついている。華奢なシルエットと長くて細く安定性の悪い足は、トロントの王立オンタリオ美術館にある爵(しゃく)に似ている。
献酒に使われた杯のほとんどは、注ぎ口の付け根に、キノコ型の突起を持っている。幾人かの専門家は、これは発酵飲料に香りをつける香辛料の袋をつるすためだったと言っている。二里岡時代に特有のこの珍しいものは、同じ時代の別の爵(しゃく)にも見られる。すべてを網羅してはいないが、以下に類似の爵(しゃく)を4つ挙げる。ひとつは鄭州(河南)近くのM3墓穴で発見されたもの。もうひとつは安徽省の肥西(フェイシー)で発掘されたもの。3つ目はトロントの王立オンタリオ美術館所蔵のもので、河南、輝県(フイシェン)で発見された。4番目はローマの国立東洋美術館に収蔵されている。

Reference(s) : ロバート・W・バグレイ,『ア—サー・M・サックラー・コレクションの商の祭儀青銅器』,ワシントンDC,アーサー・M・サックラー基金/ケンブリッジ(マサチューセッツ州),アーサー・M・サックラー美術館,ハーバード大学,1987年,第1巻,p.76,図版46。
『河南出土商周青銅器』,北京,文物出版社,1981年,1巻30番。
『文化大革命出土文物』,第一巻,北京,文物出版社,1972年,40番。
クリスチャン・デイディエ,「芸術とマチエール」,パリ/ロンドン,オリエンタル・ブロンズ社 1998年,p.8-9,1番。
ジル・ベガン,「チェルヌスキ美術館の活動」Arts Asiatiques (アジア芸術),1999年,54号。p.129-130。
『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.20-21。