Tube

Entre -206 et 9
Bronze, Incrustation
Achat

M.C. 10041

この円筒形の飾りはおそらく馬車引きとその主人にかかる傘についた柄の最下部を飾っていたものだ。厳密に対称的に配置された曲線状のすばらしい装飾がついている。これに類似するオーナメントは四川省、涪陵区(ふりょうく、ほうりょうく)で発見されたいくつかの作品を飾っている。
様々な地方の製造所にそれぞれ特有の様式の違いはあるが、この模様の厳密な配置には時代の刻印が認められるという説には惹かれるものがある。このような作品は戦国時代(紀元前481-221年)の終り、あるいは秦朝(紀元前221-207年)のものとも推定され得るが、西漢(紀元前206年から紀元後9年)の初期と考えるほうがより信憑性がある。
比較できる作品は数多い。大英博物館のセリグマンの相続品(inv.OA 1973-7-23-46)に入ったユーモルフォプロス・コレクションのかの有名な筒型オーナメントとセントルイス美術館に所蔵されているものを挙げておこう。

Reference(s) : クリスチャン・デイディエ,「芸術とマチエール」,パリ/ロンドン,オリエンタル・ブロンズ社 1998年,p.20-21
ジル・ベガン,「チェルヌスキ美術館の活動」Arts Asiatiques (アジア芸術),2000年,55号, p.156-157
オズワルド・シレン『中国古美術の歴史2,漢と六朝』,パリ/ブリュッセル,G.Van Oest社,1929年,p.48 b.
『国際中国芸術展覧会カタログ1935-1936』,ロンドン,ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ,1935年,p.32, N°240
ダニエル・エリセエフ,ヴァディム・エリセエフ,『古典中国の文明』 パリ,Arthaud(アルトー) 1979年,p.122,図版47
『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.61