Vase fanghu 方壺

Anonyme

Entre -206 et 9
Terre cuite, Polychromie
Vaisselle et ustensile de cuisine, Vase, Mingqi
H. 43.5 x H. 43.9 x l. 20.2 cm
Don manuel : Société des Amis du musée Cernuschi; Vergé (ou Verger ?), Patrice; Croës, Gisèle
M.C. 9918 a

この種の器は覆われた四角い壷、「盖方壷(がいほうこ)」と呼ばれることもあるが、ただ「方壷(ほうこ)」と呼ぶことの方が多い。その多くは繊細な多彩色が残っている。発掘が何度も行われて、今ではどこで生産されどこで使われたかがより厳密に確定できるようになった。土の色の暗いところは北方の地方、河南や陝西から来たものだということを示している。
彩色された方壷は、西洋のコレクションにはきわめて多い。フランスで最も古くから知られているものはかの有名なジャン・ソーファール・コレクションのものだ。これらの方壷には大きく分けて2つのタイプがある。1995年に当美術館に寄贈されたペアは、ずんぐりした形で、そのプロポーションから言って金属製のモデルに近い。
彩色された装飾は、トロンプルイユの環が示すように、多少とも細かく創造性に富んでいる。河北省満城区にある劉勝(りゅう しょう)の墓で発見された有名な壷(こ)のような貴金属を嵌め込んだものもあり、長沙近くの馬王堆漢墓(まおうたいかんぼ)の第1墓で見つかったような、中国南部由来の漆器を飾る繊細な模様のものもある。彩色土器は、贅沢な金属器よりもずっと安価で、死者を丁重に葬りたいが過度の贅をつくせない多くの家族に好まれたことと思われる。

Reference(s) : マリー=テレーズ・ボボ,「チェルヌスキ美術館の活動」Arts Asiatiques (アジア芸術),1994年,49号 p.63, 115-116。
ジル・ベガン,「チェルヌスキ美術館の活動」Arts Asiatiques (アジア芸術),1995年 50号 p.124
『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.70