Chameau

Entre 700 et 750
Terre cuite, Moulage, Glaçure sancai
Ronde-bosse, Mingqi
Achat

M.C. 2001-10

フランス美術館研究修復センターが行ったX線調査と熱ルミネセンスのテストが、修復がどこまで行われているかを明らかにした。これくらいの大きさの冥器では修復は避けがたい(台座は作り直したもので、後ろ足は部分的に再現されたもの、首は継ぎ直したものである)。古い部分については、ふつう、この種の作品には、安禄山(755-763)の乱以降のものとされるが、8世紀前半のものであることが確認された。
世界の大きなアジア美術館のほとんどはこのタイプのラクダを1つ以上、所蔵している。ちなみに大英博物館には、洛陽(河南)で発見された、刘定训(リュウ・ティンシュン 728年ごろ没)の墓から出た、非常に大きな唐三彩の冥器のセットがある。ラクダの小像は大きく4つのグループに分かれる。荷物がなく静止しているラクダ、鞍を着け不動のラクダ、荷物はないが歩いているラクダ、そして荷をを着け歩いているラクダである。チェルヌスキ美術館のラクダは最後のグループに入る。大きな鞍のポケット2つは、埋葬品の徴と解釈される渋面の装飾があり、糸状にほどいた絹をねじったものと平たい水筒は遊牧生活を示している。これらはいずれもクオリティーを判断する基準となっているものだ。
ラクダ像の傑作とされているものは2つあり、ひとつは東京の出光美術館、もうひとつはサン・フランシスコのアジア芸術美術館にある。これらには及ばないが、チェルヌスキ美術館のラクダも、その造型の力強さや大きさ、唐三彩の豊かな揺らめきで見る者の目を奪う。

Reference(s) : エリック・ルフェーヴル,『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.108-109
ジル・ベガン,「チェルヌスキ美術館の活動」Arts Asiatiques (アジア芸術),2002年 57号 p.175-176
ジル・ベガン,『墓のなかの小さい人々』 Paris-Musées(パリミュゼ),2010, p.40-41。