vase wenjiuzun 温酒尊

Entre 25 et 220
Bronze, Fonte
Vaisselle et ustensile de cuisine, Récipient (vaisselle), Vase
Don manuel : Fondation Antoni Laurent; Société des Amis du musée Cernuschi

M.C. 9892

この尊は発酵飲料用で、特別な生産地から来たものだが、西洋の美術館にはよく例がある。これらの青銅器の特徴は、明るい緑色の合金でできていることと、境界をはっきり定められ、刳り型のついた帯できちんと区切られた、幾何学的な模様のある文様帯の上に、均等な配置で装飾が刻まれていることだ。このよく目につく特徴により、中国の北方、陝西省と河南省、西安と洛陽といった都の近くで作られたものとは異なることが分かる。これらは中国南部の鍛冶場で作られたものである。貴州省(クイチョウしょう)清鎮市(チンジェン-し)平壩区(ピンバー-く)の村の近くで発掘された墳墓の第3号墓からは、この特別な生産地で生まれた青銅器と紀元3年の日付のある漆の杯が見つかっている。この年代的手がかりは重要で、紀元1世紀の製造品全体の年代を定める手がかりになる。さまざまな発掘により、類似の作品が、朝鮮北部の楽浪郡からベトナムのタインホア省のラシュトゥオンまでという遠く広大な領域で見つかっている。いくつかは長沙や広東(コワントン)地方から来ていることが分かっているが、すべての生産地をこの2つでだけに定めるには数が足りない。反対に、広西(カンシー)のへフで1970年に発見された墓がたったひとつで無視できない数の青銅器を出土させた。特殊な合金と装飾の品々の生産地は広西とする仮説が、今日最も信憑性がある。
似たような他の作品についてと同じように、三匹のネコ科の動物がそれぞれ器の足を支えている。蓋は、女神西王母の徴の孔雀が乗り、山の形になっている。東の海上にある仙人が住むと言われた東方三神山、蓬莱(ほうらい)、方丈(ほうじょう)瀛州(えいしゅう)を仄めかしているのだろう。

Reference(s) : マリー=テレーズ・ボボ,『既知と未知の中国:チェルヌスキ美術館,10年間の蒐集』,パリ,Paris-Musées(パリミュゼ),1992,p.82。