Instrument cultuel

Anonyme

Entre 907 et 1125
Bois (matériau), Or, Gravé = incisé
Objet religieux
Don manuel : Ullens, Guy, baron; Ullens, Myriam, baronne

M.C. 2003-3

金でできたこの2つの仏具はおそらく対を成していたもので、10世紀のものである。それぞれ、真ん中に球のついた一本の管でできている。両端には花冠がついていて、8枚の蓮の花びらが出ている。この花冠に、薄く細長い葉身を持つ2列目の花びらが華奢な花爪によって繋がれている。葉身は、その各要素が別々にカットされている。この繊細な冠の形から奇妙にも木製の蓮の莟(つぼみ)がのぞいている。下塗りの層にところどころ覆われたところがあり、かつては色を塗られた装飾品だったという仮説の理由になっている。金属部分は線刻が入っていて、管の上には唐の金銀細工に良く似た絡み合う花の模様、球の上には蓮、花冠と花にはただの線が刻まれている。この珍しい品が、もっと多くの品とともに典礼でどう使われたかは謎のままである。阿弥陀あるいはそのkulaの仏たちのための祭儀で、おそらく非常にローカルな、教義がまったく広まらなかった流派のものだというのが、もっともありそうな話ではある。現在のところ、直接参照できる作品がないのだが、様式的な特徴からは、これらのものが10世紀のものだと言うことができる。当時契丹抵抗に支配されていた地域で仏教がとった様々な形の神秘的な面を代表している。

Reference(s) : ジル・ベガン(監修)『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.116。