Jarre funéraire

Anonyme

Entre 1200 et 1279
Porcelaine, Céramique tournée, Couverte qingbai, Moulage, Modelage, Décor rapporté (céramique)
Objet symbolique, Jarre
Achat

M.C. 9810

2つの変わった埋葬用の器である。鳥が載った蓋が残っているのは珍しいが、宋の時代によく見られる埋葬用の器はてっぺんに動きのない人物の立像が並んでいる。並んでいるのは12体であることが多く、十二支や時間を示す記号と同一視される。開口部の周りには、太陽を表す円とともに龍が巻き付いている。磁器は青みがかった白であることよりもクリーム色っぽい白であることの方が多いが、この青白磁は当時の埋葬品の印である。
ここでは、厳格な並びで凝固する代わりに、虎の器の上には9人、龍の器の上には10人いる人物たちには動きがあり、正面を向いたり、背を向けたりしていて、文人特有の翼のある髪型をしている。漢の時代から中国南部で知られた技術の名残だが、腕は円筒状のものを平たくして垂らしたものでできている。
他にも装飾に興味深い点がある。2つの器は真に対をなしているのである。蓋の頂点が高い方の器の開口部は、「太陽」の意味がある円とともに東を象徴する龍がぐるりと取り巻いているが、もう一方は、蛇のような形はしているが、ちゃんとそれと分かる西を意味する虎がいて、その額には「王」の字が書かれているのである。そして「月」を象徴する円がついている。これはもちろん天の四方の方角の表象だ。太陽の器には北を象徴する玄武(亀と蛇)、月の器には南を象徴する朱雀がいる。
この組み合わせは極めて稀だ。しかし、青白磁では、12体の人物像を持つ49cmの一対で、ひとつには太陽と龍、もうひとつには月と虎があるものが上げられよう。これは、江西省の九江(ジュージャン)にある1204年の墓で見つかった(考古、1984年、8番)。
他に参照できるものは、江西省、清江にある墓から発掘された、南宋の青白(チンパイ)に関する記事のなかに(考古、1989年、7番、p.672、図版6)、 1258年の墓に、鳥が蓋の上についており、一列に並んだ人物像12体と太陽、月、方角を表す四獣のついた全長60,4cmの器が1対あったというが、残念ながらこのコピーはほとんど読み取れない。

Reference(s) : ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.136-137。
マリー=テレーズ・ボボ,『既知と未知の中国:チェルヌスキ美術館,10年間の蒐集』,パリ,Paris-Musées(パリミュゼ),1992 p.148-150。