Oreiller

Entre 1115 et 1234
Grès, Moulage, Engobe, Glaçure = Couverte, Décor peint sous couverte
Oreiller
Au revers, trois caractères gravés au sceau : "Zhang kia tsao" 張 家 造
Don manuel : Société des Amis du musée Cernuschi

M.C. 9241

明るいベージュの炻器のこの8角形の枕は、目にもよく見える茶色の粒子を含んだザラザラした素地で作られた。素材の粗さは、日常使いの民間製品の特徴で、欠点を隠し、茶色のエンゴーベの装飾を透明の釉薬の下に描くためのバックとしてつかうためにクリーム色のエンゴーベを塗る必要があった。磁州窯炻器の最も重要な特徴となるこの技術は12世紀に、南宋滅亡(1127年)の後に生まれた。裸で残されたベースはShang jia zaoの落款が、長方形の囲みの中に記されている。後ろには小さな穴がある。焼成の時の空気穴であった。
八角枕は2つのタイプに分かれる。ひとつは前に倒れた上部が軽く脇からはみ出す。もうひとつははみ出さない。チェルヌスキ美術館の枕は前者のタイプの特徴を全部備えている。枕の平らな部分の装飾モチーフは、外に向うほど太く、内に向うほど細くなる二重の線で囲われている。脇はとても自由な仕上げの、絡み合う蔓模様が描かれている。同じような縁をした枕の断片が東艾口窯で出土している。
鳥はこのタイプの枕の模様として非常に良く出てくるものだ。良い比較対象になるものがモントリオール美術館に保存されている(蓑、1980年、p.116-117 p.46より)。この枕はその上、 の落款もついており、チェルヌスキ美術館のものと同じ陶窯の出であることが分かる。カササギは中国では吉兆の鳥で、そのため装飾のモチーフによく選ばれるのだ。
テーマ自体も南宋最後の皇帝、徽宗(1100-1125年)が愛でた花と鳥の絵と呼応している。この取り合わせは当時活発に作られた木版画を通して広がった。河南省の盂県(ユーシェン)、山西省の長治(チャンチー)からいくつもの枕の上に同じ模様が見られる。その土台は虎の形をしている。そのうちのひとつが、上海博物館に保存されているが、金の時代、1162年のものである(上海 、1996年、カタログ30)

Reference(s) : 李輝柄 『磁州窑遺址調査』,《文物》1964年 p. 37-48, p. 56

蓑豊(みのゆたか), 『中国北部 自由な粘土と刷毛の7世紀間,磁州窯の陶器類960年-1600年』, ブルーミントン, インディアナ大学出版部, 1980年

『中国古代陶瓷館』, 1996年, 上海, 上海古籍出版社