Grand plat aux phénix

Vers 1450
Grès, Décor peint sous couverte
Plat
Fours de Chu Đậu, provient de l'épave de Hội An
Achat

M.C. 2016-57

鳳凰の描かれたこの大皿は、15世紀半ば、ホイアン港沿岸沖のクー・ラム・チャオ島近くで遭難した船の残骸から見つかったものである。船倉からはチュダウの窯から輸出された25万点の作品が無傷で見つかった。海底発掘は1997年から行われた。皿の内壁も外壁も白い石灰質の海洋性の凝固物がところどころについていて、長い間海の中にあったことを物語っている。15世紀中頃、青白陶磁の最大の輸出国は中国だったが、明朝が民間の貿易に制限を加える命令を出し、そのことがベトナムに市場に躍り出る機会を与えた。ベトナムの青白当時は海上ルートをたどってフィリピンからトルコまで、日本にも広く流布された。
粘土のなかでガラス化することによって透明性を出すシリカが豊富な物質、陶石は紅河流域では採取できない。ベトナムの青白陶磁はしたがって純度の非常に高い白色の素地で焼いた炻器で、中国のもののような磁器ではない。装飾は乾かした作品の上に描き、透明の釉薬に浸けて後、1200度で焼く。
この大皿の装飾は二重線で分けられる三つの同心円状の帯状模様で構成され、中央の文様もやはり二重線で囲まれている。そこには、図案化された唐草模様とくねくねした草を背景にいまにも動き出しそうな鳥が二羽戦っている。鳥の繋ぎ方は、別名「陰陽の魚」とも呼ばれる対極図を示している。二羽の鳥はまったく同一で、一方の絵はただ単にもう一方を180度廻転させただけなのである。その動的な効果は激しく、羽の広がりやくちばし、頭と脚の方向が反対になった鳥のねじれ、上に向う翼と下に落ちる翼、長くうねるように飛ぶ尾羽。
同じ太極図は魚や龍でも描かれる。ここでは、帯状模様の構成や花や葉のスタイルが中国製品、とくに元の時代(14世紀中頃)のものを思わせる。鳳凰は中国の同類から雉子の長い羽毛を受け継いだが、外見はカササギだ。この鳥は現在でもベトナム製品によく見られる。