Bête gardienne du tombeau (zhenmushou 鎮墓獸)

Entre 386 et 534
Terre cuite, Moulage, Polychromie
Statue, Mingqi
Don manuel : Schulmann, Josette

M.C. 9941

東漢の時代(25-220年)には、墓に置かれた小人物像のなかに、戦士が1体見られる。振り上げた腕には槍を持っていたが、槍は朽ちる素材でできていたのだろう。この戦士は、魂の住処を不吉な影響から守るために悪魔払いの儀式に提供されたのだ。西晋(265-316年)の時代には、その顔は恐ろしい表情になる。儀式のときに仮面を被ったためではないだろうか。
この守護者は、背に角をはやした怪物的な動物に結びつけられ、少しずつ重要性を増して行く。この墓守(鎮墓用)は軍人と官吏に分裂していく。同じように、2つの想像上の生き物、「鎮墓獣」が彼らの供をするようになる。
この鎮墓獣は広汎に流布していたタイプのものだ。犬の体で人間の頭をしている。もっと古い別の幻獣から3本の角を受け継いでいる。比較的大きく、残存した多彩色が顔に存在感を出しているため特に印象深い。この作品の部分部分は5世紀の後半とする専門家が多い。
6世紀以降、鎮墓獣2体、ひとつは人間の頭、もうひとつは動物の頭をしたものが、墓所への入口を守るようになる。鎮墓獣は唐の最後まで使われた。

Reference(s) : 『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2005, p.82-83
ジル・ベガン,『墓のなかの小さい人々』 Paris-Musées(パリミュゼ),2010, p.54-55。