Brûle-parfum (xianglu 香爐)

Anonyme

Entre 1600 et 1644
Bronze, Fonte à la cire perdue, Dorure
Brûle-parfum
Legs : Cernuschi, Henri

M.C. 669

脚の内側、中が空になった筒形の中に盛り上がった銘 : 大明宣德年製  [ 明、宣徳年間に作られた]  
この手の器は17世紀に現れた。楕円形で、海洋性の幻獣 ー ここでは龍 ーの装飾がつき、本物かどうか疑わしい宣徳帝の治世の銘があることが多い。これもその例である。北京近郊の1675年の墓から1つ、見つかっている。チェルヌスキ コレクションの香炉よりもシンプルで装飾も少ない。
フィリップ・K・フーによれば、様々なクオリティの香炉が同時代に、しかもかなり長い期間にわたって作られたという (セントルイス、セントルイス美術館とロバート・E・クレスコ コレクション)このモデルの製造は20世紀まで続いた。1860年代末に、横浜でフェリーチェ・ベアトが撮影した写真に、このタイプの香炉が、観光客用の土産物屋にあるのが見られる。
チェルヌスキ コレクションのものは高級品の部類である。部分的にしか金が塗っていないクレスコ コレクションのものよりも少し古いのではないかと思われる。ゴテゴテと装飾が付けられ、間違って宣徳年間のものとされた作品がる、19世紀のものだろう。耳は、別の香炉、おそらく胡文明の作になる、明末の作品にとても近い(旧ガーナー コレクション)。17世紀前半、特に天啓帝の在位時代 (1620-1627)、渦巻き模様がたいへん流行し、特に多彩色の陶磁器の装飾に使われた。

Reference(s) : 蘇天斉 『北京西辺門外発見銅器』
ミシェル・モキュエ, 『宋から清の中国青銅器』パリミュゼ, 2013, p.131