Vase jia 斝

Entre -1500 et -1300
Bronze, Fonte, Fonte au moule
Objet religieux, Vase
Don manuel : Mahé, Yves

M.C. 10029

チェルヌスキ美術館に所蔵されている二里岡時代の品、3品のうち、これは最も大きく、意味のはっきりしたものである。形は斝(か)、発酵させた飲料を温めるための器で、龍山文化(紀元前2000-1600年)と二里頭文化の土器から派生した。商の時代に広く使われたが西周の初めに、爵(しゃく)や觚(こ)のような他の飲み物を入れる容器に先だって消滅する。この大きな作品は二里岡時代のもののあらゆる特徴を備えている。三角の断面の軽く開いた脚は、ほぼ筒状の器の胴そのものを支えている。胴は中央で絞られ、開口部は広がっている。はっきりと分かれた二本の文様帯のそれぞれに3つの饕餮(とうてつ)文がついており、それは3つの違う型で作られたものだ。饕餮(とうてつ)文1つは、骨がはっきりと記された2体の夔(キ)が衝突する姿でできている。2本の文様帯は凹部にも模様がある。二里岡の斝(か)のいくつかでは凹部に模様がある文様帯は1本で、もう1本は盛り上がった装飾を持つ。多くの作品を比較したなかで、やはり二里岡(鄭州)で発見されたこの種の斝(か)が当美術館の斝(か)と同じ模様の配分であったことに言及しておくべきだろう。上部の文様帯は小さな楕円形で作られた二本の帯に縁取られている。当時の特徴のひとつである。耳も同じで、装飾はなく、不器用に配置されている。キノコ状の突起はほとんど円錐形にみえる、安徽省の阜南(ふなん)で発見された斝(か)のそれと良く似ている。

Reference(s) : 『河南出土商周青銅器』,北京,文物出版社,1981年,1巻55番。
郭宝君(グオ・バオジュン),『商周銅器群総合研究』,北京,文物出版社,1981年。
書誌:デイディエ,1998年,p.10-11,2番。
ジル・ベガン,『チェルヌスキ美術館のアジア芸術』, パリ,Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000年, p.28-29,201。
クリスチャン・デイディエ,「芸術とマチエール」,パリ/ロンドン,オリエンタル・ブロンズ社 1998年,p.10-12,2番。
『チェルヌスキ美術館,1993-2004の中国美術取得作品』Paris-Musées(パリミュゼ)/Findakly(フィンダクリ)刊, 2000, p.22-23。